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電気施工管理職に必要な詳細図の知識②。幹線設備・動力設備

電気工事施工管理職や、電気通信工事施工管理技士職は、詳細図についての知識が必要とされます。
本記事では、設計・施工の実務に必要な詳細図として、「幹線設備」「動力設備」の図をご紹介します。

幹線設備の図面

幹線設備とは、電気・ガス・水道などのエネルギーを各設備に供給するための設備です。
電気設備では変圧器や配電盤、ガス設備ではガスメーターやガス管、水道設備では給水ポンプや給水管などがあります。

幹線の横引き部分

幹線の工事はバスダクトだけでなく、ケーブルやビニル絶縁電線を用いて施工する方法があります。
バスダクト以外の工事方法における横引き部分には以下が挙げられます。

1.支持の種類
アンカー、インサート、インサートパイプハンガー組み合わせなどがあります。
2.吊り方の種類

  • ワイヤリングダクト方式
  • ケーブルラック方式
  • 配管方式

集合部分の幹線シャフト
集合住宅に引く電気用配線は、ガスや給水配管と同じシャフトを共用することが多いとされます。
この場合、シャフト内のガス爆発事故を防止するため前面に換気口を設けるか区画を施す必要があります。

防火区画の耐火処理
PF・CD管の場合、防火区画貫通部に直接貫通させることはできず、下記の工法で耐火処理を行います。

  • PF管:建築基準法施工例第112条第15項および第129状の2の5第1項および、国土交通大臣認定の工法による
  • CD管:PF管と同様またはCD管の防火区画貫通部措置工法例のいずれか

エキスパンション部分の配線
ビルが2棟以上接続する場合は、電源配線および制御通信配線など、さまざまな連絡が必要になります。
構造が同じような建物であっても、地震時にビルがそれぞれ異なった動きをすることがあります。
このため、接続部の配線に過度な力が加わり、電源ケーブルの切断が予想されます。
こうした事態を防ぐため、ビル接合部分のエキスパンション部分への配線に注意する必要があります。

動力設備の図面

動力設備とは、工場やビルなどの設備を動かすための設備です。
エレベーター・空調機・機械設備などがあります。

電動機の配線
ビル内の動力設備は、大きく分けて「動力設備」「空調設備」「衛生設備」に分けられます。
空調設備と換気設備は、ファンを経由し電動機に配線します。
床置きや天井吊りなど、設備の種類によって配線方法が異なるので注意が必要です。
衛生設備はポンプから電動機に配線し、水中ポンプまたは床置き設備につなぎます。

電極の取り付け
衛生設備の水位制御は、保健衛生と防災面で欠かせません。
水位制御には、電極棒を使用するものとレベルスイッチ(水位制御センサー)を使用する方法があります。
レベルスイッチは、主に汚水槽で用いられます。

動力制御盤の取り付けと屋外の動力への配線

動力制御盤は自立型のものが多いですが、小容量や制御内容の少ない負荷の場合は、壁掛けや壁埋め込み型の場合もあります。
いずれも、地震の際に点灯しないようにドリルアンカーなどで固定する必要があります。
屋外に設置した動力負荷への配線は、接地工事も忘れずに行います。

幹線設備と動力設備の詳細図について知ろう

幹線設備と動力設備は、建築物や設備の安全と効率的な運用に不可欠な設備です。
詳細図にはこれらの設備の詳細な情報が記載されているため、設計・施工業者は詳細図を参考にし、安全で効率的な設備を建設・設置する必要があります。
そのため、詳細図に関する基本的な知識を身につけておきましょう。