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電気施工管理職に必要な詳細図の知識③。電灯コンセント設備

電灯コンセント設備とは、電灯やコンセントを設置するための設備です。
電灯コンセント設備には、電灯器具・コンセント・配線器具・配線などがあります。
こうした設備を設置するためには、詳細図と呼ばれる図面が必要です。

本記事では設計・施工の実務に必要な詳細図として、「電灯コンセント設備」の図をご紹介します。

床埋設配管

床埋設配線には、鋼製電線管やポリ塩化ビニル系の樹脂管が用いられてきました。
近年では、CD管やPF管が用いられることが多いとされています。
CD管・PF管は、薄鋼電線管と比較して配管の外径が太くなるため、コンクリート内に埋設する場合には、設計や施工の際に注意が必要です。

1.床に埋設する配管の距離
床に埋設する場合の配管の離隔距離は、並行した配管の場合ボックスの接続部分を除き約20cm離します。

2.コンクリートのかぶりしろ
建築基準法などにより、コンクリート表面と鉄筋の間隔は3cm以上にする必要があります。
そのため、CD管などは鉄筋と鉄筋の間に収納します。

分電盤の取り付け

分電盤と電灯やコンセント回路の配管が集中するので、壁面埋め込み型にする際には構造的強度を損なわないようにする必要があります。
施工工法は、壁掛け型と自立型に分けられます。
特に屋外に接する壁には分電盤を埋め込まないように注意が必要です。
外壁面に配管が集中してしまうと、ひび割れが生じ、漏水が起こる可能性があるためです。
分電盤は専用スペースに設置することで、増改修工事や保守管理の作業がしやすくなります。

床配線

事務所などの床配線は、フリーアクセスフロア(OAフロア)が用いられることが多いです。
パソコンなどの情報通信機器を導入する必要があるため、一般的な住宅よりもコンセント配線やOA機器用配線量を増やさなくてはいけません。
また、レイアウト変更対応や躯体埋設対応なども行う必要がありますが、OAフロアならこうした問題に対応しやすいです。

ホテルなどの客室電灯配線

ホテルの寝室

ホテルなどには、電灯コンセント配線だけでなく、テレビや電話などの配線も必要です。
また、ホテルの間仕切り壁の遮音対策配線も行わなくてはなりません。

1.床・ボックスの配線処理

ホテルや病院などでは、音漏れ防止のために設計の段階から注意をする必要があります。
具体的な対策の1つに、コンクリート床面にボックスを設置する方法が挙げられます。
客室に設置するテレビ、冷蔵庫、フロアスタンドなどの電源用配線、電話・放送などの通信用配線は、ボックスを使用します。
強電用ボックスと弱電用ボックスを共用する際には、配線が混触しないようにセパレータを用います。
金属製の場合は、C種類設置工事を施します。

2.間仕切り壁を貫通する場合

天井裏の配管が間仕切り壁を貫通する場合、配管の周囲に隙間があると音が漏れる場合があります。
そのため、ロックウール充填やシーリングを行います。

3.その他

隣室に接しない壁面や柱のふかし壁にボックスを設ける場合、遮音対策の必要はないとされています。

寮の電灯コンセント配線

単身者向けの寮の場合、電気機器の消し忘れによる火災事故を防止したり、省エネ対策を施したりするため、電磁接触器を使用します。
これにより、退室時に必要のない負荷用電源が自動で切れるようになります。

電灯コンセント設備の詳細図を知ろう

電灯コンセント設備は、建築物や設備の安全と効率的な運用に不可欠な設備です。
設計・施工業者は詳細図を参考にすることで、安全で効率的な設備を建設・設置することができます。
そのため、知識を身につけておきましょう。