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ポットホールの放置は危険!原因と補修方法について覚えておこう

アスファルト舗装に関することで知っておきたいのが、「ポットホール」についてです。
ポットホールは、世界中の道路で発生しており、放置すると重大なトラブルを招く可能性があります。
本記事では、施工管理職に携わる人は覚えておきたい、アスファルト舗装道路で起こる「ポットホール 」について、起こる原因や対応などをご紹介します。

ポットホールとは

ポットホールとは、アスファルトに開いた穴やくぼみ、ひび割れのことです。
小さなくぼみ状のものから、大きく開いた穴まで、さまざまな大きさのものがあります。
長い時間をかけてできるものもあれば、数ヶ月程度でできてしまうものもあり、小さなものでも事故の原因になりかねません。

ポットホールが起きる原因

ポットホールと自動車

ポットホールは、以下のようなことが原因で起こるとされています。

車両による負荷

大型車両等による重量と振動が繰り返されると、アスファルトに負荷がかかり、ポットホールの原因になるとされています。
アスファルト舗装は、路床・路盤・アスファルトの混合物層で作られています。
このうち、表面の混合物層が傷つくことによって、だんだんとポットホールができてしまいます。

排水不良

道路の排水不良も、ポットホールの原因になるとされています。
排水不良によって、路面のひび割れなどの損傷から雨水が侵入し、アスファルト混合物層の剥離を促してしまうためです。

また、排水不良によって溜まった水が、路盤や路床の不等沈下を誘発するため、ともいわれています。
交通量の多い道路では、断続的に降り続いた大雨と大型トラックの走行によって、1日で約80センチもの穴が発生した事例もあります。

道路形状による劣化

カーブ区間や交差点などは、道路形状によってポットホールが発生しやすいとされています。
たとえば、カーブ区間は同じ場所を通ることが多いため、荷重の増加によって路面の損傷が起きやすくなります。

また、交差点などは車両の発進や停止が多く、振動が伝わりやすいため、ポットホールが起きやすいとされています。

雪国はポットホールができやすい

ポットホールは、全国どこの道路でもできる可能性がありますが、特に雪国はできやすいとされています。
積雪寒冷地では、融雪用の散水が常時行われているため、水が溜まりやすい状態となっています。
路面の水分量が増えることで、ポットホールが起きやすくなるのです。

また、夜と昼の気温差によって引き起こされる路面の変形、除雪やタイヤチェーンによる損傷も、原因の一つとされています。

出典:国土交通省東北地方整備局 青森河川国道事務所「十和田国道維持出張所

ポットホールの補修方法

ポットホールの補修

ポットホールは早急に対処しないと、事故などの大きなトラブルを招く可能性があります。
ここでは、ポットホールの補修方法の一例をご紹介します。

補修材を使う

ポットホールの穴を埋めて、補修する応急補修材を使う方法です。
加圧によって樹脂と骨材が緻密になることにより、強固な耐久性を発揮するのが特長です。
施工後にすぐ通行可能なため、交通に大きな影響を与えません。

1.補修箇所を整える
まずは、補修箇所の掃除を行います。
補修箇所に砂や泥があると接着性が悪くなってしまうため、できるだけ取り除きます。

2.補修箇所の下地を整える
下地が砂状など弱い場合や補修箇所が深い場合は、下地を強固にする必要があります。
施工箇所が5センチを超える場合は、10~15ミリの砕石などを敷き詰めることが推奨されています。

3.充填・敷き均し
応急補修材を入れた後敷き均しを行います。
敷き均し後の転圧で補修材が少し沈むため、施工面よりも高く充填します。
補修材は隙間なく、表面が凸凹しないように均一に仕上げましょう。

4.散水
転圧後、表面を濡らすように散水を行います。
水をかけすぎると不具合の原因となるため、材料全体が湿る程度にしておきます。
散水は表面のべたつきをおさえ、締固め効率の向上が期待できます。

5.転圧・締固めを行う
補修材を転圧し、締固めを行います。
転圧方法は、「機械的に転圧」と「自然作業による転圧」の2つのパターンがあります。

  • 機械的に転圧…補修箇所の周囲から、プレートやダンパで転圧作業を行います。
    周囲から締固めを行い、十分にできたら中央部分を転圧します。
  • 自然作業による転圧…車両を通行させて締固めを行います。
    施工面全体に通行させ、継続的に転圧することでより強固となります。

加熱する

ポットホールを加熱して補修する方法です。
路面を加熱した後に、既存の舗装をかき起こし、追加のアスファルト混合物を加えて転圧作業を行います。
路面ヒーター車を使う大掛かりな作業となるので、交通規制が必要です。
応急補修材を使うよりも時間がかかりますが、ひび割れや轍補修など幅広いポットホールに対応できます。
広い範囲に対応する場合は、加熱する方法が適しているとされます。

ポットホールの原因と対処方法を知っておこう

ポットホールは、全国どこの道路でも起きる可能性があります。
放置をしていると、小さな穴でも大きな事故を引き起こす可能性があるため、早期発見・補修が大切です。
施工管理職を目指す方は、ポットホールの原因と対処方法について理解しておきましょう。