Menu

レイタンスはどのような層?処理方法について知っておこう

コンクリート打設を行う際に、レイタンスという言葉を使う機会も多いのではないでしょうか。
本記事を参考に、詳しい内容や処理方法について把握しておきましょう。

レイタンスとは

レイタンスとは、コンクリートを打設した際に上面にできる脆弱な薄い膜のことを指します。
強度のない表面の膜なので、これを残したままコンクリートの引き継ぎを行うと、後から不具合を起こす可能性があります。
そのため、コンクリートを重ねて打つ部分は基本的にレイタンスを取り除いて施工を行います。

ブリーディングについても知っておこう

レイタンスを理解する上で知っておきたいのが、ブリーディングです。
生コンクリートを打設すると、一般的に骨材より軽い水は浮き上がってきます。
これを「ブリーディング水」といいます。
ブリーディング水と一緒に微粒子なども浮き上がってくるため、上面に薄い膜ができレイタンスができるとされています。

レイタンスを放置するとどうなる?

コンクリートの打ち継ぎを行う際に、レイタンスやブリーディング水が残っていると、コンクリートの付着を妨げるとされています。
コンクリート同士がしっかり付着しないため、後からひび割れなどコンクリートの脆弱性の原因となります。
そのため、レイタンスが発生したら除去する必要があります。

レイタンスの除去方法

ここでは、レイタンス処理の一例をご紹介します。

硬化前の除去方法

コンクリート硬化前のレイタンス処理として行われることが多いのが、「グリーンカット」と呼ばれる方法です。
グリーンカットは、コンクリートが硬化しきる前にブラシや高圧洗浄によってレイタンスを処理します。
ブラッシングを行う場合は、ワイヤーブラシなどを用いてレイタンスを削り落とします。
また、グラインダーなどの工具を使うケースもあります。
コンクリート硬化前にレイタンス処理を行えば、一気に広範囲のレイタンス処理が可能です。
ただし、早すぎても遅すぎても適切な処理ができないため、タイミングを見極める必要があります。

硬化後の除去方法

レイタンス処理は硬化前の方が効率的とされていますが、硬化後でも行うことができます。
硬化後に行う場合は、特殊な機械を用いて削り落とす方法が一般的です。
またブラスト噴射を行う場合もあります。
ブラスト噴射によって行われるレイタンス処理は、コンクリートの硬化後であればいつでも可能です。
そのため、スケジュール管理がしやすいでしょう。

レイタンスの必要性

レイタンス

原則として、土木現場ではレイタンス処理をした方が良いとされています。
コンクリートの強度が不足していると、水漏れなどの原因となるためです。

一方で、建築分野ではあまりレイタンス処理はしないとされています。
その理由の一つが、コンクリート部分に鉄筋が入っていることです。
たとえば、住宅の基礎のコンクリート立ち上がり部分は鉄筋が入っているため、強度不足になることはないといわれています。
そのため、レイタンス処理は不要です。
依頼主から要望があった場合は処理することもありますが、多くのケースでもブリーディング水を取り除くだけで事足ります。

レイタンス処理を適切に行おう

レイタンスを放置したままコンクリートの引き継ぎを行うと、ひび割れなどの原因となってしまいます。
特に強度や水密性が重要な場所では、適切な処理を行いましょう。
ただし、建築分野においては必要ない場合もありますので、処理が必要なケースと不要なケースがあることを知っておく必要があります。
構造物の強度を高めるために重要な工程ですので、理解しておきましょう。