バックアップ材は、外壁面の工事の際に使用される資材です。
建築や土木用に用いられており、目地の奥行きが深い場所などで使用されます。
本記事では、バックアップ材を用いた施工やバックアップ材の特徴、施工方法などをご紹介します。
バックアップ材とは
バックアップ材とは、外壁面の目地などに使用されるポリエチレン発泡体のことです。
シーリング材を目地として設置する際に役立つとされています。
壁の目地は主にシーリング材で隙間を埋めますが、仕上げには適切な幅や深さが必要です。
そのため、目地のサイズに応じたバックアップ材を利用する必要があります。
バックアップ材の役割
主にバックアップ材には、以下のような役割があります。
シーリング材の寿命を延ばす
シーリング材は、主に揺れの衝撃を逃がすために2面接着が推奨されています。
2面接着にすることで柔軟性を持たせ、振動などの力が逃げやすくなります。
バックアップ材は、シーリング材が壁面の下材にくっつくのを防ぎ、クッション材としての役割を果たします。
そのため、シーリング材の寿命を延ばすことにつながります。
目地の深さを調整する
バックアップ材を使用した場合、目地の深さを自由に調整可能です。
例えば、充填するシーリング材の仕上がりの深さを計算し、その深さまでバックアップ材を埋めることで、それ以上シーリング材が入り込まないようにできます。
目地底の形成
目地が深くて空間が広い場合、バックアップ材を最初に詰めて目地底を形成します。
そこからコーキング材などを充填するのが一般的です。
目地が深い場合は、まずバックアップ材を用いて適切な深さに調整します。
バックアップ材の特徴
ここでは、バックアップ材の特徴についてご紹介します。
種類が豊富
バックアップ材は目地の幅に合わせるため、さまざまな幅や厚さのものが販売されています。
そのため、施工面に合わせた商品を見つけやすいのが特徴です。
軽量
バックアップ材は持ち運びが簡単にできるよう、軽量に作られています。
例えば足場を使うような高所作業や、横面や裏面などの作業しにくい場所でも軽量なため、取り扱いが楽なのが特徴です。
復元力がある
バックアップ材は復元力があるため、目地に詰めた後も抜け落ちにくいのが特徴です。
適度に伸縮性があり、詰めた後はサイズが元に戻るため、所定の場所からズレにくくなります。
耐水性がある
バックアップ材は、耐水性があるため、雨や雪などの影響を受けにくいのが特徴です。
バックアップ材を使用する場所は屋外の目地も多いため、雨や雪などの水分ですぐに朽ちないような素材が用いられています。
シーリング材とくっつかない
バックアップ材とシーリング材がくっついてしまうと、シーリング材が柔軟に伸縮しづらくなります。
そのため、バックアップ材はシーリング材とくっつかないような素材が用いられています。
バックアップ材を使用した施工方法
![外壁](https://world-corp.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2022/03/No208_colum_02-1024x682.jpg)
ここでは、バックアップ材を用いたシーリング工事の作業手順をご紹介します。
1.除去(打ち替え工事のケース)
打ち替え工事を行う場合、既存のシーリング材を取り除きます。
2.清掃
古いシーリング材が埋め込まれていた部分を清掃します。
3.バックアップ材の取り付け
シーリング材が、建物の揺れやゆがみなどについていきやすくするため、バックアップ材を取り付けます。
目地の寸法を測り、適正サイズのバックアップ材を取り付けます。
バックアップ材を取り付けた後は、シーリング材が適正な厚さになっているか確認しましょう。
4.マスキングテープを貼る
マスキングテープを貼り、シーリング材が周りに付着しないようにします。
長時間マスキングテープを貼ると、剥がした後に糊が残る可能性があるため、施工後にすぐに剥がしましょう。
5.プライマーを塗る
シーリング材の接着を固定するためにプライマーを塗布します。
施工面に均一になるように塗布しましょう。
プライマーは、シーリング材と母材の接着を強めるための材料です。
塗布したプライマーが完全に乾いたら、当日中にシーリングの施工を行いましょう。
6.シーリング材を充填する
プライマーが乾燥したらシーリング材を充填します。
シーリング材は事前に混ぜ合わせておき、コーキング用のガンで吸い上げてから充填を行います。
充填は目地の底面部から行います。
充填不足や空気が入らないように注意しましょう。
7.仕上げ
ヘラなどを使い、施工面を平坦に仕上げます。
シーリング材充填後はすばやく、ヘラやナイフなどで仕上げを行いましょう。
8.清掃を行う
仕上げが完了したらマスキングテープを剥がして、周りの清掃を行いましょう。
清掃が完了したら作業は終了です。
バックアップ材の役割と使い方を理解しよう
バックアップ材は目地を施工する際に、シーリング材の3面接着の回避や、目地底の形成などを目的として使用されます。
シーリング施工をきれいに仕上げるために用いられるアイテムですので、役割や使い方をしっかり理解して用いましょう。