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配管について設備施工管理職が知っておきたい基本を解説。材料と接合方法

設備施工管理職は、配管についての知識も必要とされます。
配管は建物の隅々へ空調や冷温水の供給、給水・給湯の供給など、大切な役割を持っています。
また、排水などの役割を持つ配管もあります。

本記事では、設備施工管理に関係する「配管」の材料と特徴、配管の接合方法、配管の付属品についてご紹介します。

金属配管材料と非金属配管材料

ここでは、「金属」と「非金属」の配管材料についてご紹介します。

配管用炭素鋼鋼管

通称、ガス管と呼ばれるSGPと略されることもあります。
鉄と炭素に加えて、ケイ素、マンガン、りん、硫黄などの合金で作られています。
圧力の比較的低い蒸気や空調用冷温水、冷却水、消火、排水、油、ガスなど
幅広い用途で使用される鋼管です。
溶融亜鉛メッキが施された白ガス管と素地のままの黒ガス管の2種類があります。

圧力配管用炭素鋼鋼管

STPGと略されており、引張強さによって2種類に分けられます。
また、呼び厚さによって、6段階に区別されます。
圧力配管用炭素鋼鋼管は、350℃以下の圧力のある配管で使われます。
白ガス管は空調用冷温水、冷却水、消火、黒ガス管は冷媒、高温水、蒸気などで使用される管です。

ライニング鋼管

ライニング鋼管は、SGPの内面に硬質塩化ビニルや耐熱性塩化ビニルをライニングしたり、
ポリエチレン粉体を塗布したりした管のことです。
鋼管の強度と樹脂管の耐食性を兼ね備えているのが特徴です。
内面外面などのライニング部位や交換の種類などで、種類が分けられます。
耐熱性管は給湯や冷温水、D-VAは排水に用いられます。

ステンレス鋼管

鉄にクロムやニッケルを添加した鉄合金です。
管の表面には不働態被膜を形成しており、
Stain(さび)less(少ない)という意味を持っているので腐食しにくいとされています。
一般配管用のステンレス鋼管は、採光しよう圧力1MPa以下の給水や
給湯、消火、冷温水、冷却水などの配管に用いられます。
配管用のステンレス鋼管は、一般配管用よりも肉厚で、7段階あります。

銅管

表面に保護被膜が形成されているので耐食性、軽量性があるので加工しやすいのが特徴です。
また、ろう付け、はんだ付け、拡管などの接合方法が豊富なことから、
給水、給湯、冷媒配管などに使われます。
ただし、水質や管内流速、気泡などが原因で保護被膜が破壊された場合、
潰食・孔食が生じてしまうので適切な処置を必要とします。

鋳鉄管

管径が大きく、圧力が高い場所に用いられます。
鋼管と比較して腐食に強いので、排水管などにも使用されています。

硬質ポリ塩化ビニル管

軽量かつ管内摩擦抵抗が小さく、耐食性もあるため、給水・排水管として幅広く用いられている管です。
ただし、樹脂管のため、耐圧・耐衝撃性には乏しくなります。
また、線膨張係数が大きいので、伸縮に配慮が必要とされます。
一般的に用いられることの多いVP管のほかに、
肉厚が薄く排水に用いられることの多いVU管、耐衝撃性を高めたHIVP管などの種類があります。

耐火二層管

硬質ポリ塩化ビニル管を、繊維モルタルで被覆したものです。
国土交通省の認定を受けた防火区画の貫通部に使用することができます。
主に、区画を貫通している排水や通気管に用いられることが多いです。
被覆材があるので、防露用の保温工事が不要なのが特徴です。
また、遮音性能が追加された遮音耐火二層管という製品もあります。

架橋ポリエチレン管

中密度・高密度のポリエチレン管を架橋反応させ、耐熱性や耐クリープ性を向上させたもので
PE管と略されます。
小管径で、軽量や可とう性があるので、給水や給湯、床暖房などに用途で使われることが多いです。

ポリブテン管

1-ブテンの集合体で、高温域でも高い強度を保つことが可能です。
また、樹脂管の軽量・耐食性の特徴があり、給水、給湯、床暖房などに用いられています。
さらに、温泉引湯管、ロードヒーティング用などとしても使われています。

コンクリート管

下水道管などに用いられることが多く、耐重性に優れています。
ヒューム管などとも呼ばれています。

配管の接合方法

配管

配管の接合方法には、さまざまな接合方法があります。
ここでは、代表的なものをご紹介します。

鋼管

鋼管の接合方法には、「ねじ込み接合法」「メカニカル接合法」「溶接接合法」
「ねじ込みフランジ接合法」「溶接フランジ接合法」などに分けられます。

ねじ接合
配管に切削したおねじと、継手側のめねじにねじ込んで接合する方法です。
50Aまでの小管径の接合に用いられます。

溶接接合
高熱で配管を加熱し、溶かして結合させる方法です。
建築設備工事では、アーク溶接が使用されます。
溶接時の酸化などの障害を避けるため、フラックスを塗布した被覆溶接棒などを使い、
フラックスの燃焼によって発生したガスで溶接を行います。

フランジ接合
管径の大きい管などに用いられることが多いです。
管の端部にフランジを溶接かねじ込みで接合し、フランジとフランジをボルトとナットで締め付けます。
また、フランジの間にパッキンをはさむことで、水密性を保てます。

メカニカル接合
さまざまな部品を組み合わせて、機械的に接合する方法です。

銅管

銅管の接合方法には、「はんだ付け接合法」「ろう付け接合法」「メカニカル接合法」などがあります。
はんだ付け接合法とメカニカル接合法は、鋼管と重なる部分も多いです。

ろう付け接合法
銅管と継手はできるだけ溶かさずに、管と綱手の隙間に溶かしたろうを流し込んで接合します。

硬質ポリ塩化ビニル管

「TS式差込接合法」「ゴム輪接合法」「フランジ接合法」などが挙げられます。

差込接合法
テーパの受口を持った継手と管の接合面に専用の接着剤を塗布して挿入し、
受口と差口を一体化する接合方法です。

架橋ポリエチレン管

架橋ポリエチレン管の接合方法には、「電気融着接合法」「メカニカル接合法」があります。

電気融着接合法
あらかじめ加熱のための電熱線を埋め込んだ継手を使用して接合します。
専用の自動式コントローラーを用いて通電し、非架橋部を融合する方法です。

特殊継手

集合住宅の排水立管など、排水管と通気管を共用する単管式排水システム用継手あり、
排水管外周を排水、内部を通気として利用します。

配管の付属品

ここでは、配管の付属品をご紹介します。

弁の種類

仕切弁
弁本体が内部の通路を垂直に仕切るように開閉します。

玉形弁
弁本体が玉型状、内部の流体の流がS字状なので、流れを塞ぐように閉める構造です。

ボール弁
穴の空いたボール状の弁体を、回転して開閉する構造です。

バタフライ弁
短い円筒形の弁本体の梅雨深部にある弁体を回転させることで、開閉させる構造です。

逆止弁
流体の流れを一方向に保ち、逆方向への流れを防ぐ機能を持っている弁です。

伸縮管継手

配管内の温度が変化すると、配管も熱膨張と熱収縮が繰り返されます。
この伸び縮みを吸収し、保護する機能を持っているのが特徴です。

ベローズ型
配管が蛇腹(ベローズ)になっており、伸縮を吸収してくれます。

スリーブ型
本体のスリーブの二重構造になっており、滑ることで伸縮を吸収する構造です。

防振継手

冷凍機やチラー、ポンプからの振動を、配管に伝えないように縁を切る目的で設置されます。

フレキシブルジョイント

受水槽や冷却塔などが、配管の破断を防止する目的で設置されます。

ストレーナ

Y型、U字などの形状があり、配管内のごみを集積します。

配管について知っておこう

配管では、さまざまな種類の管と接合方法が用いられます。
条件に適した管と接合方法を選ぶ必要がありますので、知識として持っておくことをおすすめします。