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各時代の西洋建築と東洋建築の特徴を知ろう!建築から分かる文化の違い

西洋建築と東洋建築は文化や気候などの違いもあり、建築史から見ても大きく異なっています。
見た目はもちろんのこと、使われている資材や建築方法などさまざまな違いがあります。
本記事では、古代・中世・近代の歴史とともに変化した西洋・東洋建築それぞれの違いをご紹介します。

西洋建築の特徴

ここでは、西洋建築の特徴を古代・中世・近代に分けてご紹介します。

古代

古代の西洋では、主な建材として石が使われてきました。
石材の特徴は、強固であるということです。
また西洋では寒さを防ぐためにも、外からの風雨を防ぐがっちりとした造りが好まれたとされています。
古代ギリシャやローマでは柱を中心とした造りになっており、円形劇場やパンテオンなどが代表的な建築物です。

中世

今もなお残る中世の建築物として有名なのが、教会をはじめとした宗教施設です。
ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式など、さまざまな様式を経て近代への建築に引き継がれています。
古代と同様に石造りの物が多く、美しい装飾が施されています。

近代

中世から近代にかけての西洋建築は、キリスト教と大きな関係があります。
マニエリスク様式やバロック様式、ロココ様式などが生まれ、それぞれキリスト教の隆盛と関係するかのようなデザインとなっています。
たとえばロココ様式は、キリスト教徒がアジアに布教をしにいった時期と重なるため、東洋風のデザインが取り入れられているのが特徴です。
近現代の建築物ではコンクリートが誕生し、鉄筋コンクリート造りなどの建物も作られました。

東洋建築の特徴

お城

ここでは、東洋建築の特徴をご紹介します。

古代

東洋でも西洋に近い文化圏の場所では、石材が主に使われてきました。
日本では、木造の建築物が中心となっています。
これは、東洋は温暖な気候の場所が多いため、涼しさを求める造りが好まれたことが理由の一つとされています。
日本では6世紀ごろに中国からさまざまな建築技術が渡来し、礎石建ちの建物などが作られました。

中世

中世の東洋でも、依然として木造の建築物が作られています。
日本では鎌倉時代に大仏様・禅宗様の建築様式が導入され、発展しました。
大量生産が可能になるように部材を標準化し、強度を高めるため柱は貫で連結します。
日本では明治維新を迎えるまで、主に木造建築が主流でした。

近代

東洋の中でも特に日本では、近現代に至るまで木造建築が多く存在します。
さらに、木造とコンクリートの特長を組み合わせた建築物なども登場しました。
大正時代には関東大震災などで大きな被害を受けたため、耐震構造技術が発展することとなります。
また、明治から大正時代には鉄筋コンクリートの使用が一般化し、昭和時代にはさまざまな公共施設が建設されました。

建築から見える文化の違い

西洋と東洋では、使われている材料に大きな違いがあります。
西洋建築が発展した場所は寒い地域が多く、また敵の襲来も多かったため、頑丈で長く耐える石造りの建物が好まれました。
それに対し、東洋建築は主に木材が使用されています。
東洋は温暖な気候の場所が多かったため、断熱性と風通しの良さを考えた木造建築が発展したといわれています。

また西洋では「壁」を主体とする構成を取るのに対し、東洋建築は「線」を主体とした構成になっているとされます。
たとえば、西洋建築では入り口や窓などをアーチ状にしてせり上げるのに対し、東洋建築では水平材を置きます。

文化と気候の違いによって異なる発展を遂げた

西洋建築と東洋建築では、使われている資材や様式に大きな違いがあります。
これには文化、気候、宗教観が大きく関係しているとされます。
場所が異なると建築物も異なる発展を遂げ、その一端を現在残っている建物からでも見ることができます。