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データの共有に欠かせないIFC形式。予想される今後の活用法とは!?

近年では、BIMと連携するさまざまな技術が登場しています。
他の技術と連携することで、設計の自由度や表現力を高められます。

本記事ではBIMと連携する技術として、データ交換フォーマットの「IFC形式」をご紹介します。

IFC形式の特徴

IFC形式とは、BIM(Building Information Modeling)のデータを交換するための標準的なファイル形式です。
建物の形状や構造、設備、仕様、コストなどの情報を3次元で表現することができます。
世界中で広く使用されており、BIMデータの交換を円滑に行うために重要な役割を果たしています。

従来のCADデータ等の場合、共有できるのは3Dオブジェクトまででした。
それ以外のデータは、技術がないと共有できないなどの問題があり、情報共有は困難でした。
IFCが登場したことで、3Dモデルだけでなく、それに付属する情報の共有も可能になりました。

IFC形式のメリットと課題

ここでは、IFC形式のメリットと課題についてご紹介します。

メリット

異なるBIMソフト間でデータの交換が可能
意匠設計用BIMソフトなどをはじめとしてさまざまなBIMソフトで、IFC方式が採用されています。
そのため、複数のソフトでデータを読み込み、さまざまなシミュレーションが行えるようになりました。
また、建物の3次元情報だけでなく、属性情報を受け渡しすることが可能で、各ソフト間で個別にデータ交換を開発する必要がありません。
IFC形式との交換機能だけを搭載すればよくなりました。

データの管理が容易になる
IFC形式のファイルはBIMソフトがなくても展開できるため、データの管理が容易です。
BIMソフトは非常に高価なため、データを見るためだけに導入するのは難しい面もありました。
IFC形式のファイルは、対応しているビューワーであれば展開できるため、高価なBIMソフトを導入してなくても閲覧が可能になります。

立体的な図形表現を共有できる
IFC形式のファイルは、データの性質や形状に影響を与えずに保存できます。
そのため、BIMデータに必要な複雑な情報を安全かつ容易に管理可能です。
データの破損などのトラブルがないため、円滑な情報共有が可能になるでしょう。

維持管理業務での活用も可能
IFCファイルには建物の詳細な情報を記入できるため、維持管理業務でも活用できるとされています。
どこにどんな材質の部材が使用されているかが分かるため、メンテナンスや改修工事の際に役立ちます。

課題

IFC形式の課題とされているのが、互換性の向上です。
BIMソフトとIFC機能にはカバー範囲などの違いがあるため、属性情報などが一部欠落する可能性が指摘されています。
また、設備設計・構造解析などのBIMソフトにはIFC形式のデータ項目が用意されないケースもあります。
そのため、今後はさらなる互換性の向上が求められています。

IFC形式の今後

IFC

IFC形式のデータは、建築分野のBIMでの活用だけでなく、デジタルツインやスマートシティなどの分野の活用が予想されています。
デジタルツインやスマートシティなどの分野もプロジェクトに関わる組織や人数が多いため、データの共有は重要なポイントの一つです。
BIMの国際標準規格であるIFC形式を活用することで、円滑な情報共有が可能になるでしょう。

IFC形式はBIMの普及に必要不可欠

IFC形式は、BIMの普及に欠かせないファイル形式です。
IFC形式を活用することで円滑にBIMデータの交換が可能となり、建物の品質向上やコスト削減、工期短縮、安全性の向上など、多くのメリットが期待できるでしょう。