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BEMSとBIMの連携。どのようなメリットがある?

BEMSとBIMを連携させることで、建物のエネルギー使用量を可視化・分析し、省エネルギーや快適な環境の実現を図ることができるといわれています。
では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

本記事では、BEMSとBIMの連携についてご紹介します。

BEMSとは

BEMSとは「Building Energy Management System」の略で、建物のエネルギー使用量を監視・制御するシステムです。
建物の空調、照明、給湯、換気などの設備機器のエネルギー使用量をセンサーやデータロガーで計測し、データベースに蓄積します。
蓄積したデータを分析することで、エネルギー使用状況を可視化・分析し、省エネルギー対策を実施することができます。

出典:国土交通省「令和2年度 BIM を活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(連携事業)検証結果報告書

BEMSの主な機能

BEMSの主な機能は、以下のとおりです。

エネルギー使用量の見える化
建物の各設備機器のエネルギー使用量をセンサーやデータロガーで計測し、データベースに蓄積します。

エネルギー使用量の分析
エネルギー使用量のデータを分析することで、エネルギー使用量の傾向や原因を把握することができます。
これにより、省エネルギー対策の有効性を高めることができます。

設備機器の稼働状況
空調や照明などの設備機器の稼働状況を、センサーやデータロガーで監視します。

環境情報
室内の温度や湿度、照度などの環境情報を、センサーで計測します。

利用状況
建物の利用状況を、入退室センサーやカメラなどで計測します。
BEMSの導入により、これらの情報を統合的に管理することで、建物のエネルギー使用量を可視化・分析し、省エネルギー対策を実施することができます。

住宅用はHEMS
HEMSとは、「Home Energy Management System」の略で、家庭のエネルギー使用量を監視・制御するシステムです。
主に、エアコンや給湯器、照明、家電などのエネルギー使用量を見える化し、省エネを促す機能を備えています。
また、外出先から家電の操作や、電気料金の確認などを行うことも可能です。

HEMSとBEMSは、どちらも建物のエネルギー使用量を監視・制御するシステムですが、対象とする建物や管理範囲に違いがあります。
HEMSは、家庭内のエネルギー使用量を監視・制御するシステムですが、BEMSは、ビルや工場などの建物のエネルギー使用量を監視・制御するシステムとなります。

出典:国土交通省「令和2年度 BIM を活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(連携事業)検証結果報告書

BEMSとBIMを連携させるメリット

BEMSとBIMを連携させるメリットは、以下のとおりです。

エネルギー使用量の可視化・分析の高度化

BIMモデルにBEMSのデータを連携することで、建物の各設備のエネルギー使用量を3Dモデル上で可視化・分析することができます。
これにより、エネルギー使用量の多い設備や場所をより正確に特定し、省エネルギー対策を効果的に行うことが可能です。

省エネルギー対策の高度化

BIMモデルとBEMSを連携すれば、建物の設備や環境を最適化する省エネルギー対策を高度化することができます。
たとえば、BIMモデルを活用して、照明や空調の利用状況をシミュレーションし、省エネルギー効果を検証することが可能です。

快適な環境の実現

利用者の快適な環境を実現することも可能です。
たとえば、BIMモデルを活用して、利用者の行動を予測し、空調や照明を自動制御することができます。
これにより、利用者の快適な環境を実現しながら、省エネルギーを図ることが可能になります。

出典:国土交通省「令和2年度 BIM を活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(連携事業)検証結果報告書

BEMSとBIMの連携は今後も進む

BEMSとBIMの連携は、建物の省エネルギーや快適な環境の実現に効果的な方法です。
今後、BIMの普及とともに、BEMSとBIMの連携による取り組みがさらに進むことが期待されます。