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建設投資が未来を創る!利益率と工事への影響

今後、建設業界で働くことを検討している人にとって、建設業界の現状や将来性は気になるところでしょう。
本記事では、建設業界の現状として、「建設業界の意義」「政府投資と民間投資」「利益率と工事への影響」「建設業の倒産」などをご紹介します。

建設業界の意義・使命

建設業界の意義や使命は、国民生活および経済活動の基盤である住宅や社会資本の整備を通じて、
経済社会の発展に貢献することにあるとされています。
特に地域では、経済や雇用を支えつつ、災害対応などにおいて重要な役割を果たしています。

出典:国土交通省「建設産業の再生と発展のための方策 2011
出典:国土交通省「令和3年度(2021年度) 建設投資見通し 概要

建設投資には2種類ある

建設投資は、大きく分けて「政府投資」と「民間投資」の2種類があります。

  • 政府投資:政府投資は、公共事業である土木工事を中心とした工事
  • 民間投資:民間投資は、住宅やビルなどを中心とした建設工事

バブル期は民間建設投資が急増し、建設投資額が大きく伸びました。
その後、バブルの崩壊に伴い、民間建設投資の額は下がり、政府投資がそれをカバーしました。
政府投資は、建設業の雇用の受け皿としても期待されており、建設投資を支えたといわれています。

しかし、それも長くは続かず、建設投資額は一旦減少しました。
2011年から、東日本大震災の復興や台風・土砂災害対応などによって、再び政府投資が増加します。
さらに、民間投資でも企業収益の回復や整備更新需要の増大、オリンピックに向けた計画などにより
投資額が増加傾向にあります。

出典:国土交通省「建設産業の再生と発展のための方策 2011
出典:国土交通省「令和3年度(2021年度) 建設投資見通し 概要

建設業の利益率と工事への影響

建設業の利益率は、1991年以降低下傾向にあるとされています。
1992年に84兆円に達していた建設投資額は、2010年には42兆円まで半減しています。
元請は安値で受注しなくてはならないため、下請けに無理な要求を行った結果、
建設会社の利益率は悪化しました。
しかし、2008年を底に回復し、2018年には4%台にまで回復しています。
これは建設投資額の回復が利益率の好転につながったとされています。

工事への影響

利益率が低下すると、影響があるのは建設会社の経営だけではありません。
手抜き工事や安全対策の不備など、多方面に影響を及ぼしてしまう可能性があります。
手抜き工事まではいかなくても、熟練度の低い職人に工事をさせたり、
材料レベルを落としたりといったことが考えられます。
利益率を上げることは、建設会社の経営だけでなく、工事の安全や品質維持のためにも大切なのです。

出典:国土交通省「建設産業の再生と発展のための方策 2011
出典:国土交通省「令和3年度(2021年度) 建設投資見通し 概要

建設業の倒産は減少傾向

握手をする男性2人

建設業の倒産件数は、2000~2001年にかけては毎年6,000件近くでしたが、
建設投資の回復により2018年には約1,400件にまで減少しています。
これは、過去20年間で最も低い件数でした。
ただし、オリンピック需要がひと段落するため、今後の推移が注目されています。

国土交通省の支援

国土交通省は建設業課の需要バランスを取るため、中小建設会社の再生や再編、転廃業を促す事業を行っています。
国土交通省の各地方整備局などに相談窓口を作り、事業承継や事業の売却・買収、廃業などの相談に対応しました。
また、公認会計士や中小企業診断士などの専門家を配し、銀行が必要な資金を融資してくれます。
近年では、雇用環境の整備や人材育成の支援に力を入れています。

出典:国土交通省「建設産業の再生と発展のための方策 2011
出典:国土交通省「令和3年度(2021年度) 建設投資見通し 概要

利益率は好転し倒産は減少している

建設業の利益率は減少し、倒産率は2002年頃まで大きく増加しました。
しかし、現在では建設投資の回復や政府の支援などにより、利益率は好転し、倒産数は減少しています。
さらに、政府は人材を確保するための雇用環境の整備や人材育成の支援なども積極的に行っており、
今後の支援策にも注目が集まっています。
建設業界に興味のある方は、ぜひ現状について知っておいてはいかがでしょうか。