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建設機械業界の参入障壁は高い?勢力図と併せて解説

一般的に、建設機械業界は参入障壁が高いとされています。
世界の勢力図を見ると総合建機メーカーが上位におり、新規の企業は参入しづらい状況にあります。

本記事では建設機械業界の全体像として、参入障壁を高くする「技術力」「販売網」「サプライチェーン」「M&Aと提携」についてご紹介します。

建設機械業界の参入障壁

ここでは、建設機械業界の参入障壁の要因とされる「技術力」「販売網」「サプライチェーン」について解説します。

参入障壁となる要因①:技術力

建設機械業界に参入するには、高い技術力が必要です。
特に鉱山機械は高い技術力が必要とされるため、参入障壁が高いといわれています。

一方で、フォークリフトなどの小型の建設機械は、比較的参入障壁が低い傾向にあります。
価格競争が激しいですが、今後も市場拡大が見込まれるので
多くのメーカーが省エネや操作性などで差別化を行い、さまざまな新商品を出しています。

参入障壁となる要因②:販売網

日本が積極的に海外進出を始めた1960年代後半は、現地の独立系代理店に直接輸出を行っていました。
しかし、次第に現地に自社グループの拠点が作られるようになります。
そのため、高度なアフターセールスサービスが提供できる体制が備わっており、
この販売網が大きな参入障壁となっております。

参入障壁となる要因③:サプライチェーン

サプライチェーンとは、供給連鎖のことです。
「必要なものを・必要な時に・必要な場所に・必要な量だけ届けるための体制」という意味合いで使われます。
日本のものづくりは、全体的に顧客とのすり合わせによって発展したのが特徴です。
それに伴い、過剰設計に陥り高コスト構造になってしまったのです。

そのため、大手企業のコマツは構造改革をすることにより、グローバルな共通部品表の作成を行いました。
その後、技術的難易度が比較的低い部品が標準化され、コストを下げられました。
しかし、高度に効率化したサプライチェーンは、参入障壁となるでしょう。

建設機械業界のM&Aや提携

歴史的に戦略的なM&Aや提携が行われてきたことにより、今の勢力図となっています。
世界の勢力図を見ると、多様な機種を展開している総合建機メーカーが上位に君臨しています。

首位のキャタピラー(アメリカ)の売上高は約4兆円、そして約2兆円のコマツが続きます。
そして、1兆円クラスには、ディア・アンド・カンパニー(アメリカ)、三一重厚、徐工集団工程機械(中国)、ボルボ建設機械(スウェーデン)、日立建機、リーブヘル(ドイツ(持ち株会社はスイス))などが挙げられます。

日本メーカーは、世界のメーカーと提携しているのが特徴です。
日立建機はディア・アンド・カンパニー、住友建機はCHNインダストリアル(オランダ)に、油圧ショベルをOEM供給しています。

また、特定の機種に強いメーカーもあります。
クレーンや高所作業車のメーカーでは、首位のリープヘルに、テレックス、タダノ、マニトワックが続きます。
こうした機種はマーケットが比較的小さいため、再編が起こりやすいとされています。

建設機械業界の参入障壁について知ろう

建設機械業界に参入するには、「技術力」「販売網」「サプライチェーン」などのさまざまな壁をクリアしなくてはいけません。
そのため、建設機械業界の参入障壁は高くなっています。
また、現在の世界の勢力図では、さまざまな機種を展開している総合建機メーカーが上位を占めています。
建設機械業界に携わる方は、こうした勢力図について知っておくとよいでしょう。