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震災と感染症が建設業界に及ぼした影響。被害内容や臨時対応を解説

建設業界は、時として災害や突然の感染症などによって大きな被害を被ることがあります。
その場合、一体どのような被害や対応が考えられるのでしょうか。

本記事では、震災から浮き彫りになった建設構造物の問題、建設工事と新型コロナウイルスの関係についてご紹介します。

震災による建設構造物への被害

日本はたびたび大きな震災に見舞われており、建設構造物への被害も出ています。
ここでは、近年の日本で起きた大きな震災よる「被害詳細」と「犠牲者の死因」についてご紹介します。

東日本大震災

震災による被害詳細
東日本大震災は、東北地方の沿岸部を中心に大きな被害をもたらしました。
住宅被害は、全壊が約12万9千棟、半壊が約26万5千棟、一部破損が約74万3千棟、一部破損約74万3千棟、津波による浸水被害が約3万6千棟にも及びました。

犠牲者の死因
東日本大震災による犠牲者の死因割合は、「溺死」が最も多く約90.6%となっています。
次いで「不詳」が4.3%、「圧力・損傷死・その他」が4.2%、焼死が0.9%とされています。

出典:総務省消防庁「東日本大震災記録集/第3章 災害の概要
出典:国土交通省「国土交通白書2011/第1節 東日本大震災の発生

阪神・淡路大震災

震災による被害詳細
阪神・淡路大震災では、阪神高速神戸線だけでなく、多くのビルやマンション、病院などが倒壊しました。
これにより、日本の建設構造物に対する信頼が大きく崩れたとされています。
阪神・淡路大震災による住宅被害は、全壊が約10万5千棟、半壊が14万4千棟、一部破損が約39万棟となっています。

犠牲者の死因
阪神・淡路大震災での犠牲者の死因で最も多かったものは、「建物倒壊による頭部損傷、内蔵損傷、頸部損傷、窒息・外傷性ショックなど」で約83.3%となっています。
次いで「焼死」が約12.8%、「不詳」が3.9%と続きます。

出典:消防庁「阪神・淡路大震災について(確定報)

新型コロナウイルスが工事に与えたこと

新型コロナウイルス感染症は、工事にも大きな影響を与えました。
2020年2月27日、国土交通省は新型コロナウイルス感染症対策として「工事一時中止」を決定しました。
大きな建設現場では、千人単位が朝礼などで集まったり、エレベーターを使ったりすることもあります。
さらに、室内の仕上げ作業などで、多くの人が出入りする場合もあるでしょう。
このことから、2020年4月に大手のゼネコンが工事の一時中断を発表したのです。

国土交通省は、感染症の影響に伴う工事の遅れは標準約款の「不可抗力」に当たると解釈しています。
ただし、中断が長引けば技能者を雇い続けるのが難しかったり、出来高払いの下請けは収入が無くなったりするため、配慮しつつ工事を行う会社もありました。

出典:国土交通省「新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた直轄工事の取扱いについて

災害や感染症は建設業界に大きな影響をもたらす

震災などの災害や新型コロナウイルスなどの感染症は、建設業界にも大きな影響をもたらしました。
過去の事例を知り、それを未来に活かしていくことが求められます。