Menu

建設機械と環境問題の関係。カーボンニュートラルの実現に向けて

世界的にカーボンニュートラルへの機運が高まっており、建設機械業界の電動化などの技術開発が行われています。
本記事では、環境問題を考えた「カーボンニュートラルと建設機械」と「ハイブリッド建機と電動化」についてご紹介します。

カーボンニュートラルと建設機械の関係

カーボンニュートラルとは、排出された温室効果ガス排出量と吸収量を差し引きでゼロにすることです。
カーボンニュートラルを実現することで、地球温暖化の進行を抑えることができます。
日本では、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しています。
実現のためには、エネルギーの脱炭素化、産業構造の脱炭素化、ライフスタイルの脱炭素化などさまざまな取り組みが必要です。

建設機械との関わり

建設機械は、ディーゼルエンジンを動力源としていることが多く、大量の二酸化炭素を排出します。
そのため、建設機械産業もカーボンニュートラル実現に貢献する必要があります。

建設機械産業は、次の取り組みを進めることでカーボンニュートラル実現への貢献が期待されています。

  • 建設機械の電動化
  • 適切な燃料俸給
  • 建設機械の省エネ化
  • 建設現場の脱炭素化

さらに、政府や建設施工事業者を含めた総合的なアプローチが求められます。

ハイブリッド建機と電動化

ハイブリッド建機とは、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた動力システムを搭載した建設機械のことです。
ハイブリッド建機は、ディーゼルエンジンのみを動力源とする従来型の建設機械に比べ、燃費を向上し二酸化炭素の排出量を削減できます。
現在ではこうしたハイブリッド建機と電動化が進んでいます。

電動化する建設機械とハイブリッド化する建設機械

ミニショベルは電動化が進んでいるとされます。
2020年3月には、コマツが3tの電動ミニショベルを商用化しました。
これはエンジン車と同等の掘削性能を持っており、画期的な商品として誕生しました。
さらに、2020年10月には日立建機が8tの電動ミニショベルの受注を欧州で開始します。
これはフル充電で4時間稼働することが可能で充電も1時間内で完了するため、実用性の高い機械となっています。

ただし、中・大型油圧ショベルの電動化は、今もなお開発途上です。
バッテリーの大容量化と価格低下、急速充電インフラ整備、パワー不足の解消など、さまざまな問題を解決する必要があります。
さらに、電動制御ができなくなった際に、機械が安全に作動するかも考えなくてはなりません。
そのため、現時点での省エネ型・低炭素型の主流は、ハイブリッド油圧ショベルといえます。

完全な電動化を目指している

今後の建設機械は、ハイブリッド化から完全な電動化を目指しているとされます。
ハイブリッド建機は補助金がありましたが、それでも価格がネックとなり、あまり普及していません。
その理由として、ユーザーにより今以上に大幅な燃料改善が行われなければ、費用対効果が感じられないことがあります。

今後は、カーボンニュートラルが国策化したことで、行政による電動化の支援や促進も期待できます。
自動車と同じく、建設機械でも世界的な電動化競争が起こることが予想されます。
中・大型建機のパワー不足を解決するには、水素エンジンや燃料電池の採用が期待されています。

カーボンニュートラルと建設機械の関係を知ろう

建設機械産業は、カーボンニュートラル実現に貢献することで、持続可能な社会の実現に貢献できます。
今後はハイブリッド化から完全な電動化に移行するため、さまざまな開発が行われることが期待されます。