「鉄筋」という言葉はよく聞きますが、「鉄筋工事」の具体的な内容や範囲については、分からないという方もいるのではないでしょうか。
鉄筋は、建物を支える骨組みであり、鉄筋工事はとても大切な工事のひとつです。
本記事では、鉄筋工事の概要や種類、工事の流れについてご紹介します。
鉄筋工事とは
鉄筋工事とは、建物の骨組みである鉄筋を作る工事です。
図面に沿って鉄筋を組み上げて、建物の基礎となる骨組みを作ります。
完成したあとの建物から鉄筋は見えませんが、建物の寿命を左右する重要な工事です。
鉄筋は、ビルや橋梁、トンネル、高速道路など、さまざまな建設工事に用いられているため、需要も高いです。
鉄筋工事の種類
鉄筋工事は、大きく分けて以下の2種類の工事があります。
鉄筋加工組立て工事
鉄筋加工組立て工事は、鉄筋の配筋と組み立てを行う工事です。
鉄筋を図面通りに曲げたり切ったりした後、建物の構造にぴったりはまるように加工を施します。
加工された鉄筋は現場に運搬され、施工図通りに組み立てを行います。
鉄筋継手工事
鉄筋継手工事は、配筋された鉄筋を接合する工事を指します。
工法は、主に以下3種類があります。
- ガス圧接継手
鉄筋の端同士を突き合わせ、加熱と加圧を行い、鉄筋を一本化する工法です。
- 溶接継手
溶接継手は、鉄筋の端同士を突き合わせ、アーク溶接または瞬間的に電気を流して
一本化する工法です。
- 機械式継手
スリーブを鉄筋の端部に被せ、スリーブの嚙み合いやネジの接合を利用して
一本化させる工法です。
出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)」
鉄筋工事の作業の流れ
ここでは、鉄筋工事の一般的な工程の流れについてご紹介します。
1.加工帳・施工図の作成
鉄筋加工のために必要な、加工帳と施工図の作成を行います。
図面や仕様書を見ながら、必要な材料、鉄筋の数量、加工の形状などを決定します。
2.鉄筋の加工
鉄筋を必要に応じて加工します。
加工帳を見ながら鉄筋を加工し、現場に鉄筋を送ります。
3.配筋・段取り
現場に送られてきた鉄筋を、施工図通りに取り付けます。
鉄筋の種類により、組み立てる順序があるので、経験がある職人がリードしながら作業を行うことが多いです。
4.篏合(かんごう)
鉄筋同士をつなぐ作業の事で、「鉄筋継手工事」とも呼ばれます。
5.結束
鉄筋の交差部を縛ります。
6.検査
コンクリート打設前に検査を行い、強度などに問題がないかチェックします。
不具合がなければ作業終了です。
鉄筋工事は建物の骨組みを作る大切な工事
鉄筋工事は、建物の骨組みとなる鉄筋を、加工・組み立てる重要な工事です。
鉄筋部分がしっかりしていないと、建物の強度が維持できません。
大切な工事なので、概要や基本的な工程について覚えておきましょう。