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解体工事の流れをゼネコンを例に解説!施工管理職として覚えておきたいこと

解体工事はさまざまな会社が行いますが、工事の主な流れは変わらないとされています。
ゼネコンでは「高層ビル」を担当することが多いため、ゼネコン志望者は解体工事の流れを知っておくと、高層ビルを担当するときに活かせるでしょう。

本記事では、ゼネコンが行う解体工事の具体的な流れや方法をご紹介します。

解体工事の基本の流れ

一般的な解体工事の基本的な流れは、以下となります。

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1.外構の解体

重機の搬入や足場、養生などの設置を行うため、外構の解体を行います。
カーポート、樹木、ブロック塀などを解体し、撤去します。

2.足場・養生の設置

騒音や粉塵などで近隣に迷惑をかけないように、足場や養生を設置します。

3.屋根や内装の解体

断熱材、建具、瓦など、屋根と建物内で、手作業で解体できるものを解体します。
その後、建設リサイクル法に則って分別を行います。

4.建物の本体の解体

壁、柱、梁などの主要建造物の解体を行います。
粉塵が舞わないように、散水をしながら行います。
重機を用いるのが一般的ですが、立地条件などにより手作業でも行われます。

5.基礎の解体

建物の基礎を解体します。
解体後は分別し、産業廃棄物の運搬などを行います。
解体工事後は、地中にコンクリートガラなどが残っていないか確認しましょう。

6.整地

解体工事で掘り起こした土地を平らに整地して完了です。

事前準備も必要

解体工事の前には事前準備も必要です。

近隣への挨拶

解体工事を行う際には、騒音や振動などが起こるため、近隣に迷惑をかけてしまうことになります。
そのため、解体工事を行う前には近所へ挨拶回りなどが必要です。

ライフラインの撤去依頼

解体工事の準備として、電気やガス、水道など、ライフラインの解体工事の撤去や停止などを行いましょう。
さらに解体工事を行う前には、申請を行う必要があるので注意しましょう。
解体工事の内容によってリサイクル法の届出、道路使用届出などを提出します。

ゼネコンが行う解体工事

解体工事の様子

ゼネコンの場合、高層ビルなどの解体を請け負うこともあります。
ここでは、大手ゼネコンが行った解体方法についてご紹介します。

清水建設

清水建設は「シミズ・リバース・コンストラクション工法」という工法を生み出しています。
この工法は、京橋清水ビルの解体に採用されています。
解体を行う場合には、飛来防止シートと一緒に「スライドユニット足場」を設置し、ビルの上層部から徐々に解体していく工法です。
上層部で解体したものは地上で処理を行います。
この工法は適用するにあたって制約があまりないため、高い汎用性が備わっているとされています。

鹿島建設

鹿島建設では「鹿島カットアンドダウン工法」という工法を生み出したとされています。
ビルの1階立て部分の柱に油圧ジャッキを設置することで、ビル全体を支えて耐震性を確保しながら、ビルの下部から解体する方法です。
まず柱を切断しジャッキで支えます。
その後、ジャッキを操作して建物を下げます。
まるで、だるま落としのように建物を下から解体するのが特徴です。

大林組

大林組は「QBカットオフ工法」など、カッターやワイヤーソーなどで適当な大きさに分解し、地上レベルまで降ろしてから細かく砕く工法です。
地上で細かく解体するため、コンクリートの破片が飛散してしまう心配がありません。
振動や騒音の小さいものを利用すれば、騒音エネルギーの総量を抑えられるようになったとされています。

ゼネコンの解体工事の流れについて知っておこう

ゼネコンの解体工事は、高層ビルなどを担当することもあります。
そのため、施工管理職を目指す方は、家屋などの解体工事だけでなく、高層建築物などの解体工事の流れについて知っておく必要があるでしょう。