施工管理職に携わる人が、キャリアアップのために目指したい資格の一つが「施工管理技士」です。
施工管理技士の資格があれば、施工管理のスペシャリストとして、幅広い工事に携われます。
本記事では、施工管理技士の種類や必要な受験資格、1級と2級との違いなどをご紹介します。
施工管理技士の資格の種類
施工管理技士は、施工管理のスペシャリストであることを証明できる国家資格です。
施工管理技士の資格には以下の7種類があり、それぞれ1級と2級に分かれています。
- 建築施工管理技士
建設工事全体の工程や安全管理などを行う資格です。
- 土木施工管理技士
道路、河川、湾港など、土木工事現場の施工管理を行います。
- 電気工事施工管理技士
電気工事に関する専門資格です。
- 管工事施工管理技士
空調や冷暖房設備、ガス管などの配管工事の施工管理を行います。
- 造園施工管理技士
造園工事の施工管理を担当する専門資格です。
- 建設機械施工技士
建設機械を扱う工事の施工管理を行います。
- 電気通信工事施工管理技士
電気通信工事の施工管理を行います
施工管理技士の試験を受験するために必要な条件
施工管理技士の資格を取得するには、試験に合格する必要があります。
試験を受験するために必要な受験資格は1級と2級で異なります。
1級
学歴 |
実務経験年数 |
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指定学科卒業後
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指定学科以外卒業後
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大学
専門学校「高度専門士」
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3年以上
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4年6ヶ月以上
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短期大学
高等専門学校
専門学校「専門士」
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5年以上
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7年6ヶ月以上
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高等学校
中等教育学校
専門学校
※「高度専門士」「専門士」を除く
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10年以上
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11年6ヶ月以上(※)
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その他
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15年以上
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出典元:一般財団法人全国建設研修センター「1級土木施工管理技術検定試験」
2級
学歴
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実務経験年数
|
|
指定学科卒業後
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指定学科以外卒業後
|
大学
専門学校「高度専門士」
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1年以上
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1年6ヶ月以上
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短期大学
高等専門学校
専門学校「専門士」
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2年以上
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3年以上
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高等学校
中等教育学校
専門学校
※「高度専門士」「専門士」を除く
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3年以上
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4年6ヶ月以上(※)
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その他
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8年以上
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出典元:一般財団法人全国建設研修センター「2級土木施工管理技術検定試験」
施工管理技士は、受験資格さえ満たしていれば2級を飛び越して1級から受験することも可能です。
※令和3年度より、施工管理技術検定の受験資格が変更されます。
実地試験を受験するために必要な条件
施工管理技士の試験は1級と2級どちらも「学科試験」と「実地試験」があります。
ここでは、実地試験にのみ絞った受験の条件を紹介していきます。
実地試験は、以下のいずれかに該当すると受験ができます。
1級施工管理技士 受験資格
- 当年度の1級土木施工管理技術検定・学科試験の合格者
- 学科試験免除者
出典元:一般財団法人全国建設研修センター「1級土木施工管理技術検定試験」
2級施工管理技士 受験資格
- 当年度の2級施工管理技術検定・学科試験の受験者(ただし、「学科試験のみ受験者」を除く。)
- ・学科試験免除者
出典元:一般財団法人全国建設研修センター「2級土木施工管理技術検定試験」
学科試験と実地試験どちらにも合格しなければ、施工管理技士の資格は取得できません。
学科試験に合格後、実地試験で不合格となった場合、翌年に限りもう一度実地試験のみ受験することが可能です。
※令和3年度より、施工管理技術検定の受験資格が変更されます。
受験資格を証明するためには
受験資格として必要な実務経験を証明するには、受験願書と一緒に実務経験証明書を記入して提出します。
実務経験証明書は、必ず受験者自身が実務経験年数や指導監督的実務経験年数を記入します。
その他には以下のような内容を記入します。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 勤務先
- 最終学歴
- 受験資格に直接関係のある試験、検定、免許
- 従事した工事種別や工事内容
- 従事した立場
- 工事工期
工事名や発注者名は具体的に記入します。
工事工期は事業期間ではなく、工事1件ごとの工事期間を記入しましょう。
所属企業の会社印と代表印が必ず必要
実務経験証明書には、所属企業の会社印と代表印の両方が必要です。
過去に勤めていた会社の印は不要で、現在の会社の証明のみで大丈夫です。
受験者自身が代表者の場合は、証明欄に代表者であることを記載します。
そして証明者との関係欄に「本人」と記入しましょう。
出典元:一般財団法人全国建設研修センター「電気通信工事受験の手引き」
受験資格をしっかり確認しよう
施工管理技士試験を受けるには、実務経験が必要です。
1級と2級で必要な実務経験年数が異なり、受験資格を満たしていれば1級から受験することも可能です。
実務経験は、願書と一緒に提出する実務経験証明書で証明するので、忘れないように提出しましょう。