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施工管理は女性も活躍できる!?結婚しても働ける理由

「建設業界=男性の職場」とイメージする方が多いのが現状でしょう。
しかし現在では、建設業界の職種全体で女性の働き手が増えております。
特に施工管理職では、責任のあるポジションに就き活躍している女性も少なくありません。

本記事では、施工管理職の女性の割合、女性が施工管理職として活躍できる理由、女性が働きやすい環境整備として行われていること、などについてご紹介します。

施工管理職の女性の割合

2017年に国土交通省が発表した「建設業活動実態調査」によると、建設業界で働く女性の割合は全体で11.5%となります。
全体の割合から考えるとまだまだ少ないといえますが、以前よりは着実に女性の割合は増えてきております。
今後も、継続的に女性の割合を増やせていけるかがポイントといえるでしょう。

※出典:国土交通省「平成28年建設業活動実態調査の結果

女性が施工管理職で活躍できる理由

施工管理という職種で、女性が活躍できる理由はどこにあるのでしょうか?
活躍できる理由としては、以下のようなことが考えられます。

女性ならではのコミュニケーション能力

建設現場では、それぞれの役割を担った多くの人が働いております。
施工管理の仕事では、多くの方と円滑にコミュニケーションを取らなければなりません。
そんな中、女性ならではの細やかな配慮が、業者との関係を円滑に進める事が期待されているのです。
一人ではなく大勢で現場が動いていることを理解し、大勢の人とコミュニケーションを取るのを楽しめるような女性は、施工管理職に向いているといえます。

管理能力の高さ

女性は、スケジュールなどを段取りよく決めることができる方が多いため、施工管理職に向いているといえます。
施工管理の仕事は、工事に必要な人材や資材を確保し、現場が滞り無く進むようにすることです。
そのため、管理職やマネジメントの経験がある人は、施工管理の適正があるといえます。

建設業界の仕事は、とにかく体力がある人が向いていると考えられることもあります。
しかし施工管理職は、スケジュール管理などの進行管理も重要な仕事であるため、強みを活かせる女性も多くいます。

結婚後の女性も働けるような環境整備

施工管理職の女性

近年多くの業界が、女性が働きやすい環境を作っています。
建設業界も例に漏れず、女性が働きやすい環境を整えはじめています。

たとえば国土交通省が発表した「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」には、以下のような記述があります。

仕事と家庭の両立環境の整備

女性には、結婚や出産などの大きなライフイベントがあります。
そのため、女性の出産・育児をサポートする施策は、女性が継続して働くカギを握っているといえるでしょう。

建設業界では、以下のような環境整備を掲げております。

  • 産休制度、育休制度、時短制度など、仕事と家庭の両立のための制度の導入や活用
  • 育児期などにおける現場での朝礼参加の柔軟化
  • 作業準備や後片付けの分担や工夫などによる現場直行・直帰の配慮など
  • 妊娠中や育児中の一時的な配置転換への配慮
  • 出産や育児などによる一時離職後の円滑な職場復帰のサポート
  • 現場付近に託児施設などを整備する
  • 管理職へのワークライフバランスに関する啓発活動の実施

これらの環境整備によって、結婚・出産・介護などのライフイベントがあっても、柔軟な働き方ができるようになっています。

※出典:国土交通省「もっと女性が活躍できる建設業行動計画

女性が施工管理職に就くメリット・デメリット

建設業界でも女性が働きやすい環境が整ってきています。
ここでは、女性が施工管理職に就くメリット・デメリットをご紹介します。

メリット1:資格があれば性別を問わない

施工管理技士の資格があれば、男女問わず同じ仕事ができます。
仕事ぶりが認められれば、プロジェクトリーダーに抜擢されることもあるでしょう。
ただしその分「女性だから」と区別されることはありませんので、しっかりと意識を持って働く必要があるでしょう。

メリット2:ブランクがあっても復帰できる

建設業界だけでなく女性は「結婚・出産」が人生において大きな転換点になることがあります。
キャリアアップを目指し、結婚や出産を諦めてしまう人もいますが、建設業界では仕事をいったんやめても、再びキャリアを積み上げられます。
これは施工管理職の業務である「安全管理」や「原価管理」の部分の基本が変わらないためです。
そのため、ブランクがあっても現場に復帰しやすいとされています。

メリット3:キャリアリセットして施工管理職になる道もある

これまでのキャリアをリセットし、異業種の施工管理職の仕事に就く人も多くいます。
結婚や出産を諦めずいったんキャリアをリセットし、新しくキャリアを積んでいこうという考え方です。
施工管理職は未経験者でも始められることから、転職を経て施工管理の道へ進む人もいます。

メリット4:ファッションの自由度が高い

施工管理職は業務中、作業着にヘルメットが基本ですが、それ以外の服装は基本的に自由です。
髪型や髪色、メイクの有無などを制限されることは少ないでしょう。
ファッションをできるだけ制限されたくない、自由に楽しみたいという方にはメリットの大きい仕事といえるでしょう。

デメリット1:体力的にきつい部分がある

男性と女性ではどうしても男性の方が体力的に有利です。
しかし、仕事に男女の区別はありませんので同じ仕事をする必要があります。
長時間の残業もあるため、体力的・筋力的にきついと感じることもあるでしょう。

デメリット2:「女性だから」という扱いを受ける可能性もある

環境整備がなされているとはいえ、建設業界は長い間いわゆる「男社会」でした。
そのため「女性だから」という扱いを受ける可能性もあります。
さまざまな価値観を持っている人がいるのは仕方ないことですが、目に余るようであれば会社に訴えるなど毅然とした態度を取る必要があるでしょう。

施工管理職に向いている女性

ここでは、施工管理職に向いている女性の特徴についてご紹介します。

【関連記事:女性施工管理職の仕事内容。年収事情についても紹介

コミュニケーション能力が高い

施工管理職は、社内の人だけではなくさまざまな人とやり取りを行います。
伝えるスキルはもちろん、聞き取るスキルも必要です。
年配の男性など、誰とでも臆さずに話せる人が向いているといえます。

リーダーシップを持っている

施工管理職は現場でさまざまな人に指示を出す仕事のため、リーダーシップも必要とされるでしょう。
工事現場の中心となるリーダーがしっかりしていないと、指示を受ける人は不安になってしまいます。
相手が年上でも男性も問題なく指示を出せるリーダーシップを持っていないと、トラブルや事故に発展してしまう可能性もあります。

計画的に物事を考えられる

施工管理職は、工程表の作成や工程管理も仕事の一つのため、計画的・論理的に物事を考えられる人が向いているでしょう。
工程管理がきちんとできないと工期の遅れにつながってしまうため、日々しっかりと確認をしなくてはいけません。
そのため、スケジュール通りに物事を進めるのが得意な、計画性のある方が向いているとされています。

細かい部分に気づける

細かい部分に気づいて直せる方も施工管理職に向いているでしょう。
建設現場では些細と思われることが、大きなトラブルや事故につながってしまうことが少なくありません。
作業にどんな危険があるのか、どうすれば防げるのかをつねに考えられる人が向いているといえます。

施工管理職に就こうと思った理由

現在でも「男社会」というイメージが残っている建設業界で、女性が施工管理職に就こうと思った理由にはどんなものが挙げられるのでしょうか。
ここでは、建設業界で働く女性の方が施工管理職に就こうと思ったきっかけをご紹介します。

「もともと父が施工管理技士の資格を持っており、施工管理を行っていました。
その姿を見て育ったので、自分も父のような仕事をしようと思い施工管理職を目指したのがきっかけです」

「もともとは土木業界とまったく違う業界で働いていました。
この業界に入ろうと思ったのは施工管理職として働いている友人がきっかけです。
友人と話していると、仕事がどれだけ楽しいかが分かり興味を持ちました。
そして友人に誘われる形で土木業界に転職しました。
未経験だったので最初は不安でしたが、施工管理職として働く楽しさに目覚め、今では資格取得のために勉強しています」

「実家が工務店をしており、建築の仕事に興味を持ちました。
自分でも建築系の仕事に就きたいと思い、大学で建築科に入学しました。
初めは技術者として働きたいと思っていましたが、次第に全ての工程に携わりたいと思い施工管理者として働くことを決めました」

女性が働くための環境が整備されつつある

施工管理職の女性

以前は、建設業界といえば男性の職場というイメージがありました。
しかし、現在では女性が継続して働くためのさまざまな環境整備が行われています。
たとえば、女性専用の更衣室やトイレなどを設置する企業が増えています。

今後もさらにこれらの取り組みを取り入れる企業が増えることが予想され、施工管理の職種で活躍する女性も徐々に増えています。
性別に関係なく、女性の方でも施工管理の職種にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。