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高速道路の建設費はいくらぐらい?工事の流れと併せて紹介

生活や物流にとって欠かせない高速道路ですが、建設費がどのくらいなのかご存知でしょうか。
また道路にはいくつかの体系があり、この体系によって高速道路とそれ以外の道路が分けられています。
本記事では、高速道路の体系や建設費、建設の流れについてご紹介します。

高規格幹線道路の体系

高規格幹線道路は以下の2種類に分けられます。

高速自動車国道
東名高速道路や中央自動車道など約11,520km
新直轄方式区間が約834km、有料道路方式区間が約8,594kmとしています。

一般国道の自動車専用道路
首都圏中央道路自動車道、東海環状自動車道など約2,480km(うち本州四国連絡道路が約180km)

これは一般的に、自動車が高速で走るために造られた自動車専用道路のことを指します。
1987年6月に閣議決定された第四次全国総合開発計画、および「21世紀の高度のグランドデザイン」により、高規格幹線道路と位置づけられています。
高規格幹線道路は、全国の都市や農村地区から約1時間で利用できるようにするため、約14,000kmの道路網によって形成されています。

出典:国土交通省「道路行政の簡単解説

高規格幹線道路の建設費

高速道路を1km造るためには、約50億円が必要とされています。
日本では欧米と比べて建設費用がかかるといわれています。
その理由の一つが、日本が山岳地帯であるためです。
山の中であれば一般的にトンネルを通し、谷があれば橋を架ける必要があります。
さらに日本は地震などの災害が多いため、それらに耐えうる強度の道を作らなくてはいけません。
そのため、建設費が高くなってしまうとされています。
また有料道路は、財源不足を補う方法として借入金を用いています。
そして完成した道路から通行料金を徴収することで、返済に充てる方式がとられています。

高規格幹線道路建設の流れ

高規格幹線道路建設の様子

では高規格幹線道路はどのようにして作られているのでしょうか。
ここでは、ネクスコが行う高規格幹線道路建設の流れについてご紹介します。

事業説明会

高速道路が通過する自治体に路線の概要と今後の予定を説明する会です。
その次に、道路が通過する沿線地域の人々に、路線の概要と今後の予定を説明して、事業の実施の際の協力を要請します。

中心杭の設定・測量・土質調査・設計

地権者に立ち入り許可を取り、路線の測量と土質調査を行います。
路線測量と土質調査の結果を踏まえ、地元設計協議用の図面が作成されます。

設計協議の実施・設計・幅杭測量

高速道路が通過する自治体や関連する公共工事事業者、地元住民と共に設計協議を実施し、側道や付替道水路などの構造が決定されます。

用地幅杭の設置・用地測量・物件調査

地権者に立ち入り許可を取り、用地境界となる幅杭の設置を行います。

用地交渉・用地の取得・土地売買等の契約

補償金額の算定をし、地権者に補償金額の説明が行われます。
地権者に理解を得た上で、土地売買契約や物件移転補償契約などが締結されます。

詳細設計・工事発注・施工

工事を発注するのに必要な詳細設計が実施されます。
事業の進捗に合わせ、土木工事、橋梁工事、舗装工事、施設工事などが発注されます。
また品質管理、工程管理、原価管理、安全管理などの施工管理を行い、完成を目指して工事が行われます。

道路の開通

国など関係機関の検査を受けて合格すれば、自動車専用道路として開通できます。

高速道路開通の流れについて知っておこう

高速道路は、人や地域をつなぎ、人の移動や生活物資の輸送のために欠かせないものです。
高速道路の開通のためには多額に費用がかかりますが、これは災害の多い日本でも安全に通行できるような技術が使われているためです。
さらに開通のためには周辺住民の理解が欠かせないことも知っておきましょう。

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