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CADソフトの種類を把握しよう!特徴や違いを解説

CADオペレーターでなくても、施工管理職としてCADの基礎知識は必要となります。
最近では、高性能なCADソフトが数多くあるので、主要なソフトの種類は覚えておきたいところです。
本記事ではCADの基礎知識と、おすすめCADソフトを5つご紹介します。

CADの基礎知識

CADは「Computer-Aided Design」の略称で、パソコンで作図ができるシステムのことを指します。
さまざまな業界で利用されていますが、建設業界においては、主に設計図面や建築図面を作成する際に使用されます。
CADを使用する場面や企業は多いため、求人数も多いです。
経験者はもちろん、未経験からでもスタートできることから、注目されているシステムのひとつです。

【関連記事:CADとは?CADの仕事内容と合わせて紹介します!

以降では、主要なCADソフトの紹介をしていきます。

CADの活用技術を上達させるポイント

建設業界において、CADソフトを扱えるスキルはとても重宝します。
一方、これまでCADに触れてこなかった人にとっては馴染みのないツールだけに、「何をすべきか分からない」と悩んでしまうことも珍しくありません。
そこでまずは、CADのスキルを習得したい人が始めるべき3つのことについて紹介します。

初心者がやるべきこと1:とりあえずCADソフトを触ってみる

CADに少しでも興味があるのであれば、参考書や書籍を買う前にとりあえずCADをダウンロードしてみることをおすすめします。
その際は、3DCADもしくは2DCADの興味ある方を選びましょう。

3DCADは、建築業界で導入が推奨されているBIMを実現するために重要な役割を持つソフトです。
対して2DCADは従来の2次元の製図を目的としたソフトです。
2DCADであれば、Jw-cadは無料で非商用利用、商用利用できます。
3DCADもFusion 360という非商用利用であれば無料で利用できるソフトがあるので利用を検討してみてください。

初心者がやるべきこと2:練習用の図面を作ってみる

ダウンロードしたCADソフトをひと通り触ってみたら、まずは参考書やインターネットで情報を集めて基本的な操作を習得しましょう。
ある程度、どんな機能があるか把握できたら今度は実際に図面を作ってみましょう。
練習問題はインターネットにもありますし、初心者向けの参考書にも記載されていることが多いので、自身のレベルに合わせて繰り返し練習してください。
CADをスキルアップするには、情報をインプットすることはもちろん、それ以上にアウトプットを続けるのがとても重要です。

また、自分の興味がある分野の設計図を作成することもモチベーションアップにつながるので、作りたいものを決めてひたすら設計し続けましょう。

初心者がやるべきこと3:セミナーや講座などに参加する

「体系的に学びたい」、「独学だと挫折しそう」といった不安などがある人は、一度セミナーや講座を受講してみることもおすすめです。
経験豊富なプロから指導を受けられますし、同じ目的を持つ仲間もできやすいため、独学よりも挫折しにくい傾向があります。

また、キャリアチェンジを目的としている人にとっては、就職・転職支援などのサービスを受けられることがあるのも、独学にはないメリットです。
オンライン講座も普及しているので、遠方からでも受講できるチャンスはたくさんあります。
ただし、独学と比べると金銭的なコストが大きいので、しっかりと学習計画や目標設定を行って意欲的に取り組むことが求められます。

CADの勉強に必要なもの

独学・講座のどちらにしても、CADの学習を始めるために必要不可欠なものがあります。
まずは、前述したCADソフトです。

参考書や講座のなかには、あらかじめダウンロードしなくてはならないソフトが指定されることがあります。
どのソフトを選ぶべきか分からない場合は、無料ソフトもしくは幅広く使われているソフトを優先的に検討することをおすすめします。
また、CAD用のパソコンも用意しなければなりません。
利用するソフトによって要求されるスペックは異なります。2DCADであれば一般的なノートパソコンでも利用可能なケースが多いです。
一方、3DCADを利用する場合はより高性能なパソコンが必要です。
所有するパソコンで問題なく起動するか確かめたい場合は、非商用利用であれば無料で利用できるCADソフトか、期間限定で無料で使用できる製品で試してみましょう。

さらに、図面のチェック用にプリンターとコピー用紙も揃えましょう。
図面の確認はデスクトップと印刷時のズレをチェックするためにも、一度印刷することが一般的です。

CADソフト1「Jw-cad」

  • 2DCAD
  • 無料
  • 対象OS:Windows

Jw-cadは2次元汎用CADソフトです。
無料で使える「フリーソフト」であることが大きな特徴です。
建築士によって開発されたソフトのため、建築系でよく使用されます。

無料のソフトですが、基本的な機能は搭載されており、高精度の図面を作図できます。
中小企業から大企業まで、多くの企業で使われているソフトです。

直感的で使いやすく、2D図面を書くのに十分な機能が備わっているため、実務にも対応できます。
さらに、国内でのシェアが大きいため、データの共有がしやすいのがメリットです。

ただし、フリーソフトのため、サポートがない点は注意が必要です。

【関連記事:JW-CADの特徴を紹介!使い方を学んで理想の図面を作成しよう

CADソフト2「VectorWorks」

  • 2D/3DCAD
  • 有料
  • 対象OS:Macintosh/ Windows

「VectorWorks」はアメリカのNemetschek Vectorworks社が提供する2D・3DCADソフトです。
世界初のMacintosh対応CADとして開発されました。
直感的な操作ができ、2Dだけでなく3Dモデリングも可能です。
Photoshopやillustratorなどの製品にも対応しています。
加えて、2Dと3Dを連動させて同時に作図が可能であり、平面図から3Dパースまで作成できます。

さらに、以下の専門分野向けの製品もリリースされているのが特徴です。

  • 建築/土木を含めた分野のデザインワーク向けの「Designer」
  • BIM機能が搭載された「Architect」
  • 都市計画や造園設計に向いた「Landmark」

このため、設計事務所やインテリアデザイン事務所などでも多く採用されています。
ただし、ほかのCADソフトと互換性が低いため、データの共有に時間がかかる可能性があります。

CADソフト3「AutoCAD」

  • 2D/3DCAD
  • 有料
  • 対象OS:Macintosh/ Windows

「AutoCAD」は、アメリカのオードデスク社が提供する2D・3DCADソフトです。
2D・3Dともに作図が可能な機能性の高さから、世界的なシェアを誇ります。
各専門分野に特化した「AutoCAD Architecture」や「AutoCAD Mechanical」などの製品もリリースされており、用途によって使い分けることが可能です。

また、2Dのみの対応ですが、安価な「AutoCAD LT」も販売されています。
「AutoCAD」「AutoCAD LT」ともに、日本でのトップシェアのソフトとしても知られています。
このため、データ共有しやすいのも特徴です。

さらに、近年では「サブスクリプションメンバー」という、サブスク式の年間ライセンスが導入されました。
これにより、価格が下がり、入手がしやすくなり、大手だけでなく中小規模の企業でも導入されています。

ただし、ほかのソフトに比べ直感的な操作が難しいため、しっかり作図できるようになるまでに勉強が必要です。

【関連記事:AutoCADの使い方をマスターしよう!備えつけのツールセットも併せて紹介

CADソフト4「Fusion 360」

  • 2D/3DCAD
  • 有料(条件をクリアすれば無料で使える場合もある)
  • 対象OS:Windows

「Fusion 360」は、アメリカのオートデスク社が提供している3DCADソフトです。
クラウドベースの3D CAD・CAM・CAEツールで、3DCAD機能だけでなくレンダリング、解析、2D図面の作図も可能です。

企画から製造までの工程を一元管理可能な機能が揃っているので、これから3DCADを始める方にも向いています。
また、データをクラウド上で管理できるので、チーム内での情報共有をスムーズに行えます。

さらにFusion 360は、以下の条件をクリアしていれば無料で利用することが可能です。

  • 趣味の範囲の個人利用
  • 非商用を目的とする利用
  • 一定の条件を満たしたスタートアップ企業

スタートアップ企業でも無料で使えるのが特徴のため、「新しくCADを導入したいが予算に余裕がない」という企業には、特におすすめです。

CADソフト5「OnShape」

  • 3DCAD
  • 有料(基本的な機能は無料)
  • 対象OS:Windows

OnShapeは、2015年にサービスを開始したクラウド型の3DCADソフトです。
クラウド上ですべて作業を完結できるので、リモートワークなどにも適しています。
また、クラウド型なので、常に最新版に更新されるため、アップデートの必要がありません。
そのため、「アップデートのため作業ができない」という事態に陥らなくて済みます。

無料版と有料版がリリースされており、無料版でもCAD機能は制限なく使うことが可能です。
ただし、無料版は、保存したデータがすべてパブリッククラウド上にアップロードされるので、商用利用には向きません。
企業で使う場合は有料版を購入する必要があります。

CADは需要が高く未経験でも挑戦できる

CADは、設計や製図などに欠かせないソフトウェアのため、多くの企業で使われています。
そのため、専門的な知識とスキルを身に付ければ多くの企業で活躍できる可能性を秘めています。
無料で使えるソフトもリリースされていますので、まず無料版から勉強を始めてみてはいかがでしょうか。